伊藤計劃『虐殺器官』というSF小説を読んだ。
諸言語の基調に、虐殺や紛争を起こしうる特定のコードを見つけた男が出てくる。
男はこの特定のコードを利用して、そうとは知らない多くの人々に文字を投げかけ、人々は知らず知らずのうちに虐殺を始めてしまう。
この小説を読むにつれ、というかこの男が出てくるにつれ、私は秋元康のことを思い出す。
秋元もこの小説のジョン・ポールと同じく、人々の心を掴む基調のようなものを把握しているのではないか。人々の心を動かすルールや仕組みを理解しているのではないか。
そういう意味においては秋元康はすでにSFである。