狭筵

はい

すべらない話

「すべらない話」という有名なお笑いの番組がある。松本人志のやつ。長寿番組だ。サイコロで当たった人が面白いすべらない話をするあのあれだ。

当然、話す担当の人は面白い話をしなくちゃならんのだが、私はいつも聴き手側の姿勢に感心する。

話者にぐぐっと顔を向け、「うんうん」と頷き、山場やオチにはしっかりリアクションを取る。話者が話しやすい、パフォーマンスしやすい環境を聴き手が非常な叮嚀さで整えていることが見てとれる

 

会議でプレゼンしたり、講演をしたり、生徒に授業をしたり。話していると自分に自信がなくなってくる。聴き手に自分の話が伝わっているのか、楽しんでもらえているのか、なんてことを気にしてしまう。そうなるとしゃべりや話の展開が鈍重になってしまう。そんな時、聴衆に「味方」がいるとありがたい。

上記の「すべらない話」のように、聴いていることを示してもらえると、話に「乗る」ことができる。ノリノリになれる。

そんな経験があったから、私自身が聴き手になるときは、もちろん人の話はちゃんと聴くんだけど、それを話者にわかるようリアクションを取るように気をつけている。「すべらない話」ほどしっかりしなくとも、話者に顔をちょっと向けたり、うなずいたり、レジュメで示された部分をしっかり確認したり、話者に「話を聴いています」という態度を示すようにしている。

そうすることで、会議や講演での話者のパフォーマンスが向上するんじゃないかと信じている。

 

最後に「すべらない話」に話を戻すと、参加者はいずれは話者となる。その際には聴き手に助力願わなくてはならない。だから自分も聴き手の際はしっかりリアクションとる。話を聴く。こういうギブアンドテイクの関係をしっかり構造に含む点が「すべらない話」の雰囲気の良さ、すべらなさ、面白さに繋がっているのだろう。

翻って私にとってこの番組から学ぶべき点は、縷々述べてきたとおり、聴き手としての姿勢だ。気に喰わない奴のプレゼンには逆のことをすればいいわけだが、職場の美人のお姉さん先輩がプレゼンする時は…