狭筵

はい

elonaは本当にローグライクだったか?

たまには真面目にブログを書いてみるか。以下の記事に関連してブログを書いてみよう。

 


ローグライク系おすすめのフリーゲーム・インディゲーム作品8選 – もぐらゲームス

 


私はローグライクが大好きで、今はDungeonCrawlSSをやってる。elonaもド嵌まりしてプレイしたんだが、実はあまりローグライクをしている…という感じがしなかったのだ。勿論すげー面白かったんだけど。
片道勇者もおんなじ感じで、すげー面白いんだけど、ローグライクしてるか? というとちょっと違うような。今日はそんな話。


この違和感を端的に言うなら、elonaも片道勇者も「速い」のだ。
ローグライクはターン制が基本になる。自分が動かなければ相手も動かない。これが基本中の基本であり、そのためにしばしば「長考」することがある。難局を手持ちのアイテムで如何に切り抜けるか、と考えるのだ。また装備品の持ち越しやブラッシュアップが可能な作品においては、次の旅に何が必要か「長考」しじっくり旅装を整える、なんてこともある。

変愚蛮怒なんかがそうで、階層に応じて現れる敵を把握しながら、手持ちの装備で耐性のパズルを整える。私はハイエルフアーチャーでよくプレイするんだけど、矢を倒した敵の骨からシコシコ作る。追尾の矢ってのがいい矢で、これを町の鍛冶屋で鍛えてもらって、常に現段階で最も鋭い矢玉を用意してから迷宮に下りて行く。

elonaではこうしたシコシコ感はあまりなく、比較的物資が大量に投下されプレイヤーはどんどん欲しいアイテムを得られパワーアップできる。迷宮やクエストでの挙動も「長考」するでなく直観的で「速い」流れになる。戦闘も勝つか負けるか割と即座に決まる。
片道勇者も、左から闇が迫るせいでずっと一所に居られず「速い」流れが生み出される仕組みになっている。一方変愚なんかだとユニークとの勝負やvaultの探索なんかで1フロアに1時間くらいかけることだってある。

 

こうした「速い」仕組みが悪いと言いたいわけではない。「速い」流れを実現したからこそ、たくさんのクエストをこなし、様々な街やランダムなダンジョンを旅し、たくさんのよりよいアイテムを集めることが可能になる。大量処理が可能になるということだ。
そして「速い」仕組みは爽快感を生む。強い装備で敵を蹴散らしたり華麗に闇から逃れるのは楽しいのだ。これは本来ローグライクが有していた「長考」して問題を解決した時の爽快感とは別種の歓びであろう。

ローグライクというジャンル。私は大好きだが、ゲームとしてなかなか狭く、マニアックなジャンルだと思っていた。既存のnethack系、band系、DungeonCrawl系のヴァリアントが今後も主流で、だんだんとプレイ人口が減り先細りしていくのでは…なんて勝手に思っていた。
だがelonaとか片道勇者とかはそこに新しい基軸を生みだした。述べてきたとおり 「速い」ってのはあんまりローグライクぽくないと感じるんだけど、その「速い」ことが革新に繋がっている。「速い」ローグライクは明らかにローグライクと言うジャンルを新しい段階に押し上げている。新たなファンをこのジャンルへと導いている。そう思う。